先日5/27に行われた運営委員会の投票の結果、第65回東日本医科学生総合体育大会の開催が決定いたしました。新型コロナウイルス感染症の影響で第63,64回大会は開催が見送られていたため、2019年の第62回大会以来実に3年ぶりの開催となります。今後感染状況が大きく変化すると開催が厳しくなる可能性もありますが、せっかくなので今回は東日本医科学生総合体育大会の歴史、そして慶應義塾における体育教育についてお話ししたいと思います。
東日本医科学生総合体育大会(通称東医体)は東日本医科学生総合体育連盟に加盟している38大学の医科学生が23の競技(夏季21、冬季2)に参加する体育大会です。大会全体で約15,000名の医学生が集まり、日本国内で行われる体育大会としては国民体育大会(国体)、西医体につぐ第3位の規模となっています。今年で第65回と歴史のある大会ですが、実は起源は慶應義塾大学にあります。1957年(昭和32年)に慶應義塾大学医学部の学生が中心となり、当時6年生であった戸刈宏之ニューヨーク医科大学教授(37回)を委員長として東医体は誕生しました。それ以降2019年まで毎年開催されており、医学部の運動部にとって東医体はもっとも重要、かつ由緒ある大会であると言えます。
東医体において、慶應義塾大学は第62回大会で総合優勝(夏季大会のみ)しており、それ以前の大会でも常に上位の成績を収めています。慶應の強さは一体どこから来るのでしょうか。
慶應義塾の創立者である福沢諭吉先生の言葉に「先ず獣身を成して後に人心を養え」という教えがあります。この言葉は「獣のような強い身体を持ち、その後に人の心を養う強い身体づくり」の大切さを表しています。福沢諭吉先生は教育者として「学問のすすめ」を著し、学ぶことの大切さを問いていますが、学ぶこと以前の大前提として健康であることが第一であるということを強調しています。これがまさに慶應義塾の体育教育の真髄です。そしてさらに言うなれば、この教えは医師のあるべき姿を表しているのではないでしょうか。医師は非常に多忙で、働くにあたって体力は必須です。医師として学ぶべきことはたくさんありますが、患者さんの健康を守るべきものとして、まず自分自身が健康であることが大事です。
今年度東医体が開催されたら、4年生以上の皆さんは3年間温め続けた獣身を大いに見せつけてください。東医体初参加となる3年生以下はフレッシュな獣身を見せつけてください。そして学生の皆さんは医者になってもその獣身を失わないでください。
皆さんのご活躍を期待しています。
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