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第20回 4年生ポリクリ開始

 CBTやOSCEなど医学部の中でも大きな試験を乗り越え,4年生はポリクリ(※)が開始した。白衣式を経て,純白の白衣を身に纏った皆の姿は,医師に向けて次なるステージに進む希望で満ち溢れている。これまでは教科書の知識として得たものが,現場で,生身の患者さんに向けられるのだ。そこに妥協は許されず,これまで「合格点を取ればいい」という態度であった者も,一気に「患者さんのために常に最良を模索しなければならない」という態度へとシフトしていく。

 私はポリクリが始まってから,麻酔科,放射線科,腎臓・内分泌・代謝内科の順に進んでいる。コロナ禍で好きな時間に受けられるオンデマンド授業に慣れてしまった体にとって,朝の早い時間から病院に集合しなければならないのは,最初はかなり辛かった。例えば麻酔科であれば,手術において患者に対して行う最初の麻酔導入がメインとなるため,8時には全ての準備を済ませてカンファレンスに参加する。まだ眠気が残る頭を叩き起こしながら説明を聞くと,これまでとは違う知識の入り方に自分で驚く。今までは教科書で主に活字の知識として得ていた,いわば無機的な知識である。しかしポリクリでは道具や薬の実物があるのだ。カルテも細かく記載されているため,なぜその治療方針を取るのか,その治療方針の具体的な流れがどういったものなのかが非常にイメージしやすい。他にも放射線科では,AIホスピタルとしての最新鋭の設備を実際に見ることができた。現場を何も知らない私は,技術が進めばAIで診断の全てができると思っていたが,実際,AIが有効に活用できるのは限られた分野とタスクであると知り,衝撃を受けた。さらに腎臓・内分泌・代謝内科では,腎生検を見学した。生検といえば「最後に診断を確定させるためのもの」というイメージしかなかったが,針やメスをはじめとしたさまざまな器具を使う光景を目にして,診断にはかなり有用である一方で侵襲的であり合併症の危険性を鑑みて慎重に行わなければならない手技である理由を肌で感じた。他にも実習で驚きを覚えた事柄は枚挙に暇がないが,どれもこれも患者さんと病院スタッフの方々の協力のおかげで成立しているものである。この場をお借りして,お礼を申し上げたい。

「一流の医師へ向けた第一歩」を目標として掲げた私は,自分はなぜ医師を志したのか,どういう医師になりたいのかを今一度振り返ろうと思う。未来の医療を支えるプロフェッショナルとしての自覚を持ち,仲間とともに協調しつつも切磋琢磨していきたい。

※ポリクリ:医学部在学中の5,6年生時に,実際に病院の各診療科を回って行う臨床実習のこと。

(4年 大屋健成)




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